「一緒になるって約束したから…。 今更別れるなんて言わないよね？」 精液を貢がせ、私の膣奥に注がせるー。アナタは私の《子作り専属》性奴●。 武藤あやか

ディテールを掘り下げればシリーズ化も可能なポテンシャル

単なるこじらせ痴女愛人ものなら平凡だが、武藤あやかの方も人妻と言うW不倫の設定が面白そうだし、裏切られた人妻の狂気は『甘い囁きに流されるまま、僕は大学を留年するまで、人妻との巣篭もりSEXに溺れて…。』に通じるものがある。監禁される男の方も単なる浮気者ではなく、人妻を何度も孕ませては堕ろさせてきた鬼畜という自業自得な過去の設定が突き抜けてる。逆孕ませ痴女ものという単純な方向性をここまで濃密な世界観に持っていったのは高評価。ただ、人間関係のディテールが曖昧なのはちょっともったいない。武藤あやかと男の関係もただの愛人と言うのでは薄っぺらいし、本当に会社の同僚同士だったり妻とも昔から面識があったり、あるいはマンションの隣人だったり仲のいい親戚同士だったりと、ドロドロの人間関係でどんでん返し的な展開を作ればいろいろ遊べそう。「単身赴任」なはずの武藤あやかの夫も本当は・・・というあたりも怖い匂わせがされてるけど、ちょっと伝わりづらいのでもう少し分かりやすさが欲しい。男優は正直、力量不足。武藤あやかの「上司」には見えないのはともかくドラマ的な演技は悪くないけど、セックスしながらのコミュ力の弱さは濃密な作風には物足りない。カラミの演技がいまいちな男優を女優の演技でカバーするための企画だとしたらちょっと違うかも。男を洗脳する手段にクスリを使っちゃったのも安直で、子供が欲しい＝自分の遺伝子を残すなら相手は妻でなくてもいいじゃんという価値観を刷り込まれるという、子供が欲しい人妻孕ませものの逆バージョンで良かったような。武藤あやかの狂気の演技は素晴らしかったし、カラミも悪くなかったが、ドラマとしてはまだ最初の試作品段階と言う印象。この1作で終わりになったらもったいないが、もう少し掘り下げた形で見てみたい。