夫に内緒で…妻には嘘をつき、W不倫旅行にやって来た二人。密会は繰り返していたが、泊りで、しかも2泊3日過ごせる事は奇跡に近い。そんな貴重な時間の中で二人は延々と愛し合い、感情を剥き出しにする。部屋に入るなり唇を貪り合い、それだけで濡れたアソコへ肉棒を突き刺す。男はすぐ快楽に達し暴発気味に射精を迎える。何度しても欲望は収まず部屋にはコンドームが淫らに散乱する…。タイムリミットが来るその時まで―。
以前「出張という名の不倫旅行」というシリーズを一作だけ見た覚えがあります。まるでつまらなく、不倫とはいえ、相思相愛のカップルの話で興奮させるのは難しいと思いました。普通の恋人同士でも旅行に出ると喧嘩になりやすいものだし、まして不倫カップルが自分達の関係について認識を共有出来ている筈もなく、トラブルがあって当然だと思う。むしろそういう喧嘩があるほうが、ずっとイチャイチャしているより良い作品になると思います。例えば、喧嘩して女がセックスを拒否するが、男に無理やり身体を弄られているうちに感じてしまい、そのままレ●プごっこに移行するとか。この作品でも男と妻の電話を聞いた女が感情を昂らせる、というシーンがありましたが、あれをもっと膨らませて欲しい。また、この恋人達は余りにも抽象的な存在過ぎる。二人の関係をもっと具体的なものにして欲しい。例えば二人は会社の同僚で、女は海外の大学でMBAをとっている才女で、一方男は高校卒の叩き上げだが、かつてはスポーツで有名な存在だった、男は出来れば女と結婚したいと思っているが、女は当面今の関係のままで良いと思っている、等々。ただ、そうすると、脚本も演技も相当に練り上げなければならず、経費節減の為か、旅行しているようにすら見えない現状を見ると、高望みかもしれません。監督も何も工夫していないわけではなく、極力カットを割らず長回しで撮るとか、人工的な汗を使わず、本当の汗で髪が濡れるのを見せるとか、松野さんの自然な反応を生々しく描写しています。セックスの時の松野さんは楽しそうな表情が良いし、これはこれで私はまずまず楽しめ、嫌いな作品ではありません。とはいえ、評価としては星3つが妥当かなと思いつつ、作品に恵まれていないと思える松野さんへの激励と期待を込め、甘めながらこの評価にしました。