初めのインタビューから好きでした、一緒に距離を縮めていく感じも、人間らしい心の動きが分かるのも、好きです。真咲監督さんの作品はいつも心が動くところが素敵です。真緒ちゃんとのぞみちゃんの二人とも不器用な所も見所だと思いました。
もしかすると、AVに「恋慕」という感情はあまりマッチしないのかもしれない。だけど本作は、AV女優である有村のぞみちゃんが同じAV女優である浜崎真緒ちゃんを恋い慕うという、リアルな感情をぶつけていく様がしっかりと描かれているのと同時に、レズAVとしての完成度も非常に高い。感情の受け手である浜崎真緒ちゃんはもはや大ベテランで、女優の仮面を外すことはめったにないが、本作では(完全に、とはいかなかったかもしれないけど)その素顔を垣間見ることが出来た気がする。ドキュメンタリーレズAVの進む先に、また新たな扉が開いた一作。
映像美のクオリティー、AVを通り越してドキュメンタリー映画mjたいな構成力の高さに毎回驚かされます。
有村さんの指名で、浜崎さんがキャスティングされた。有村さんはプライベートでもバイの経験があり、浜崎さんに憧れていた。浜崎さんは、この憧れや愛をどう受け止めるのか。有村さんは、自分の憧れや愛をどう表現するのか。この関係の中で、有村さんは女優という立場をすっかり離れて、憧れの人に向かい合い戸惑う姿を見せ、浜崎さんは女優という立場を離れずに、作品を成立させることを軸に振る舞う。このお互いの立ち位置の差が生み出す葛藤が作品の主題になっている。結果としては、浜崎さんよりも、有村さんの方が見ていて素直な姿に共感できたが、それは浜崎さんが作品を成り立たせようとしたからでもあった。
憧れの女優とレずれるのって、プライベートでもレズを経験している有村のぞみにとって至福の時だっただろうなと思う。