人気AV女優が実の姉だと知った妹・ミキ(河合ふみえ)。事実を知って姉との再会を拒否し、楽しかったはずの女優の仕事に嫌悪感を抱く。姉のマキは、親バレし居場所がなくなり、かつて自分にエクスタシーを教えAV女優にさせたスカウトマンに再び抱かれ、心の拠り所を求めたのだが…。すれ違いながらも分かち合う姉妹の一つの日常。
目覚まし時計の、だんだん大きくなるアラーム音や、ことさらにハイレグを強調した下着。90年代の熱量が画面から溢れ出てくるようです。河合ふみえさんの気さくで自然な演技と、朝岡実嶺さんの棒読みなセリフをものともしない美しさも好対照。それぞれにお芝居の技術を磨き上げた背景もありつつ、おそらくは実生活とオーバーラップするところの多いシナリオで、彼女たちの魅力を引き出してます。だから、「ドレスアップして綺麗な光の中で撮影しました」ってPV以上に、ドラマや心情が女の子を輝かせます。よくできた映画では、パンフレットの写真では特別綺麗に見えない印象だったヒロインの、映画終盤の笑顔に忘れられないほどの愛おしさを感じることがあります。この作品の二人のヒロインにも、そんな「魔法」がかかっているように思います。