ある日の事、便利屋で働く若い男・真一は屋敷の掃除を請け負う。依頼先に到着した真一を出迎えたのは美しい大人の女性、ひかり。その日から真一は事あるごとにひかりに指名されるようになり、ひかりは決まって作業中の真一を見つめているのだった。次第にひかりの大人の色気に惹きつけられていく真一。…遂にはひかりに思いを打ち明け男女の関係に至るが、そこにはある真実が隠されていた。
見かけない名前の監督だけど、新人というよりは有名監督の別名って可能性が高い。技術的には高めで安定感があるが、台本センスは古くさくてありきたりで、作風的にすぐに名前が浮かんだのは溜池ゴロー監督。筋書きも悪いわけじゃないんだけど、この手の話は朝霧浄監督の『ひと夏だけのお母さん星杏奈』が最強すぎて勝てない。家族に縁がない男が出会った謎の麗夫人が実の母で、しかも実の父はすでに亡くなった兄という、『灼熱の魂』超えちゃってるような止まらない近親相姦の輪廻を描いた背徳のファンタジーに比べてしまうと、こっちは監督にとっての常識や固定観念の超えられない壁が見えてしまってる普通の話って感じ。強烈過ぎる先例を知っちゃってるので個人的にはこの程度ではまったく刺さらなかったし、場所変えて同じようなこと繰り返すだけの本番も、堅実にやることはやってるという以上のものがなくていまいちだったけど、技術的には完成度が高いので、趣味さえ合えば悪い出来ではないと思う。